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ジョンソンベビーパウダーと卵巣がんとの関連について検証

赤ちゃんのお風呂上りに、おしりにパタパタとはたく“ベビーパウダー”。おむつかぶれや、今の時期気になる子供のあせも予防としても使え、さらっとしていて肌触りがいい。値段もお手頃で、昔から子育てには重宝していますよね。そんなベビーパウダーに使われる成分について、気になる“事実”がありますので、検証してみたいと思います。

がん死亡 ジョンソン&ジョンソンに損害賠償支払命令

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アメリカの大手医薬品・日用品メーカーであるジョンソン・エンド・ジョンソン社(以下J&J)が販売する「ベビーパウダー」と「シャワートゥシャワー」を長期間使用してきた女性が、2015年に卵巣がんで亡くなりました。
それに対し翌年2月、亡くなった女性の遺族に対して、J&J社は7200万ドルの損害賠償を支払うよう命じられました。
問題となったのは、ベビーパウダーとシャワートゥシャワーに含まれる“タルク”という成分。
「数十年にわたり“タルク”を含む製品を使用すると、がんを引き起こす可能性がある」という情報を消費者に警告するのを怠ったとして、J&J社は訴えられたのです。

亡くなった女性が発症した卵巣がんとJ&J製品に、直接の因果関係があるかどうかは、科学的には不明。
弁護士の技量と陪審員によって、有罪も無罪になってしまう可能性のある国で起きた訴訟だということも、事実。
あくまで二次的影響なのですが、“この裁判の陪審員”は、卵巣がんとJ&J製品の因果関係を認めたのです。

J&Jの言い分とがんとの関連性

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裁判結果に対して、J&J社は以下の見解を残しています。

・ 弊社は、消費者の健康と安全性について、十分な責任を持っている。
・ 化粧品のタルクの安全性は、科学的証拠によって裏づけされていると確信している。
・ 亡くなられた女性に対しては気の毒に思うが、裁判の結果には失望している。

この件と同様、J&J社を相手取った訴訟の数は、現在、全米で約1200件にも上るそうです。
アメリカでは、このニュースが取り上げられるやいなや、「子供たちには使わせない」と言った意見がツイッター上を駆け巡ったそうです。
世界売上高700億ドルを超える大企業であるJ&J社。
因果関係が科学的に立証されれば(今現在は立証されていない)、苦しい立場に立たされることになりそうです。

タルクとはどんな物質?ベビーパウダー以外に使用も

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タルクは、滑石(かっせき)を微粉化したもの。
化粧品としては、古くから白粉(おしろい)やメイクの下地として使われてきました。
話題となっているベビーパウダーの原料として使われているのはもちろん、ファンデーションや口紅、アイシャドーなどに、現在も使われています。

タルクは、 “アスベスト(石綿)”と非常によく似た構造式を有しており、性質もよく似ていることから、日本でもタルクの安全性を巡って、20数年議論が続いてきました。
1995年には、アメリカのチャンドラー博士が、「タルクは、卵巣がん、卵管繊維症、不妊の原因になる可能性がある」とも指摘しています。
しかし国際がん研究機関(IARC)による評価では、アスベストが【グループ1】に分類されているのに対し、タルクは【グループ3】に分類されているのも事実です。

【IARC発がん性評価分類基準(ヒトに対する発がん性)】
■グループ1・・・認められる(アスベスト、受動喫煙を含む喫煙)
■グループ2A・・・おそらくある(ディーゼルエンジンの排ガス)
■グループ2B・・・疑われる(携帯電話、ガソリンエンジンの排ガス)
■グループ3・・・分類できない(タルク、お茶、カフェイン、ヘアカラーリング)
■グループ4・・・おそらくない(カプロラクタム)

他メーカーのベビーパウダーは?

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J&Jのベビーパウダーに限らず、日本で販売されているベビーパウダーには、“タルク”が入っているのでしょうか。
調べたところ、少なくとも下記商品は、タルクを原料として作られていました。

・ ジョンソンベビー(J&J) ベビーパウダー
・ ピジョン(pigeon) ベビーパウダー
・ 和光堂(wakodo) 薬用シッカロール
・ 資生堂ベビー ベビーパウダー
・ フリート ピコ ベビーパウダーにこにこ

和光堂の製品には、昔からのシッカロールの他に、植物生まれのベビーパウダーもありました。
こちらは値段は通常の物より少し高くなりますが、タルク不使用です。
タルクに関してグレーな部分もあることから、最近ではタルク不使用の物が増えてきているようです。
ちなみにどのメーカーも、J&J社同様、タルクの危険性に関する警告はしていませんでした。
発がん性に対して、グレーな部分の多いタルク。現在の科学においては、発がん性が“無い”ことを証明するのは難しく、また“有る”こと証明することも難しいようです。
卵巣がんに限らず、がんは、どれだけ発がんの可能性を排除しても、罹ってしまう人は罹ってしまいます。逆に、罹らない人はどれだけ長期間喫煙していても罹りません。テレビで誰かが言っていましたが、運命だと言っても仕方がないと。私自身もそう思います。今回の検証は、あくまで“事実”として認識していただけると、嬉しいです。
この記事を書いた人
MAKOMI

4歳になる娘を持つママです。子育てを始め、読書レビュー、ファッション等、多方面で執筆中。面白いネタを探して、日々アンテナを張って生きてます!