縦切りと横切りの二通りある帝王切開ですが、一般的に傷跡は横切りの方が治りにくいと言われています。
腹筋は縦に通っているので、腹筋を切り裂く形で切開する横切りは、縦切りに比べ治りも遅く傷跡も残りやすいようです。
帝王切開の傷跡は、個人差もありますが、およそ3ヶ月で赤みが取れ、1年も経つころには、目立たなくなります。
しかし一度切開をしたわけですから、術前のように全く綺麗に治ることはありません。
薄っすらと残る人もいれば、ケロイドのようにみみず腫れのような傷跡になってしまう人もいます。
ケロイド化してしまった傷跡は、病院で特別なケア、処置が必要となってきます。

筆者も帝王切開で娘を出産しました。
現在10cmほどの傷跡は、色素沈着してしまい、見るからに帝王切開とわかりますが、ケロイド化はしていません。
横切りでお願いしたので、股の浅い下着でも履けば全く見えませんが、術後1ヶ月ほどは痛みが治まらず、起き上がるのもままならなかったのを覚えています。

ケロイドとは、傷口が赤くみみず腫れのように盛り上がった状態を言います。
痛みや痒みを伴い、傷跡の範囲を超えて大きくなることもあります。
ケロイドになる誘因は傷なので、帝王切開などの手術跡に限らず、ピアスやにきびなどごく小さな傷でもケロイド化する人はなってしまうようです。
『ケロイド体質』という言葉を聞いたことがある人もいると思いますが、ケロイドは言葉の通り遺伝やホルモンに大きく影響されます。
白人はなりにくく、黒人や黄色人種など色素量の多い人に発生しやすいといわれており、家族にその体質を持つ人がいると発生の報告も多いそうです。

通常、病院は抜糸や抜鉤(ばっこう、医療用ホチキスを取り除くこと)が終われば、傷跡の処置はそれで終わりになります。
私も退院の日に傷跡を診てもらった後は、一度も診てもらいませんでした。
抜糸や抜鉤の後のケアは自分でしなくてはならなくなるため、ケロイド化にならないためにも、お家でのケアが必要となってきます。

退院後、帝王切開の傷跡をケロイド状にしないために、誰にでもできるお家ケアを紹介します。

①傷跡を清潔にする
手術跡に限らず、どんな傷でもばい菌が入ることでケロイド化しやすくなります。
傷跡が完全に乾ききっていない部分は、入浴後に消毒し、清潔に保ってください。

②保湿する
傷跡の乾燥による痒みはケロイド化のサインでもあります。
傷跡が完全に乾ききったら、妊娠線予防のクリームなどを塗って、保湿してください。

③傷跡に衣服が直接触れないようにする
下着など衣服が傷跡に直接触れることで刺激され、痒みや痛みを伴い、ケロイド化する可能性もあります。
傷の部分をガーゼで保護したり、ゴムが直接当たらないようなデザインの下着に替えるなど、対応してください。

傷跡を清潔に保ち、保湿を心がけていても、ケロイド状になってしまった場合は、病院での治療とケアが必要になってきます。

治療方法は、以下4つが多いようです。
・炎症を防ぐ薬を服用
・ステロイド注射を打つ
・ステロイド入りテープを貼る
・それでも良くならない時は、形成外科等で手術を行う

傷跡があまりに酷くなってしまった場合でも、病院で正しい治療を受ければかなり綺麗に治るそうです。
気になる方は、出産をした病院、または皮膚科、形成外科に相談してみてください。

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