乳房には脂肪と乳腺があり、乳がんは乳腺から発生する癌の事です。（脂肪には発生しません）

乳ガンも他のがん同様、細胞の遺伝子異常により発生することが分かっています。

大人の女性の乳房は乳腺が放射状に15～20個並んでいます。それぞれの乳腺は乳管で繋がっています。
乳がんの約90％はこの乳管から発生します。
乳がんは発生や進行にホルモンが深く関係している事が特徴です。

また早期乳がんとは
・癌の大きさが2cm以下
・リンパ節の腫れ（転移の可能性）がない
・乳房以外の部位への転移がない
・しこりが胸壁に固定されていない
・組織学的にみて早期と診断される「非浸潤がん」や「小葉がん」
をいいます。
早期乳がんの場合は完治する可能性がとても高くなります。

・しこり
乳がんはしこりが5mm〜1cmの大きさになると自分で注意深く触るとわかります。
ただしシコリが全て乳がんであるというわけではありません。痛みのあるしこりのほとんどは「乳腺症」と言われます。
（しかし乳がんも大きくなると痛みを伴うことがあります）
わきの下にできるしこりはリンパの腫れである事が多く、ほとんどが「良性」です。
しかし「潜在性乳がん」と呼ばれる臨床的には分からずにいつの間にか乳がんがわきの下のリンパ節に転移している場合があります。
この癌は増殖が速いのが特徴です。

・乳房のえくぼや皮膚の変化
乳がんが乳房の皮膚の近くに出来ると乳房にえくぼのようなくぼみができたり、赤く腫れたりします。
乳房の皮膚がオレンジの皮のように赤く腫れ痛みや熱感を伴う場合を「炎症性乳がん」と呼びます。
炎症性乳がんは全身的な転移をきたしやすい病態です。

・乳房付近のリンパ節の腫れによるむくみやしびれ
乳がんはわきの下のリンパ節、胸骨や鎖骨そばのリンパ節に転移をきたしやすく、これらが大きくなってくるとリンパ液の流れがせき止められる為に腕がむくんできたり、しびれをきたしたりすることがあります。

乳腺に発生する腫瘍（しこり）にはいくつか種類があります。

乳がん→悪性
・40歳以上に発生しやすい
・月経周期による変化がない
・シコリが硬い
・早期では痛みはないが、進行すると痛みを生じることがある

乳腺症→良性
・35～45歳頃に発生しやすい
・月経前に腫れたり、痛む
・シコリが柔らかい

線維腺腫→良性
・25～35歳頃に発生しやすい
・シコリに弾力があり触ると動く
・痛みはない


また乳がんの中にも種類があります。
・転移性乳がん
遠隔転移（他の臓器への転移）がある乳がんの総称

・再発乳がん
手術等初期治療を行ってから発見された乳がん

・局所進行乳がん
がんが皮膚や胸壁に及んでいるためそのままでは手術ができない乳がん

乳がんの検査方法とは
・自己検診（セルフチェック）
・視触診
・画像診断（マンモグラフィ・超音波・MRI等）
・細胞診
等があります。

「乳がん検診」では、これの中からまたは組み合わせて行っています。
検診機関で行われる「レディースドック」や「乳がん検診」では医師による診察＞視触診＞マンモグラフィの流れが一般的です。

自治体による乳がん検診は、2年に一度「乳がん検診の告知」をしていることが多いようです。
費用は各市区町村により異なりますが0円～3,000円程が自己負担になります。
（全額自己負担の場合
マンモグラフィ検診5,000円前後
超音波検診（エコー）3,500円前後
両方受診した場合は10,000円前後）

自覚症状があり医療機関で受診をされた場合は、保険適用になりますので費用負担が異なります。

※妊娠中は他のレントゲン検査同様、基本的には受ける事ができません。

※授乳中は乳腺濃度が上昇し撮影条件が悪くなりますが受ける事が出来ます。