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「君の椅子」プロジェクトって何?文化の地産地消という考え方がすごすぎる

「君の椅子」プロジェクトというものを聞いたことがありますか?
以前に、フィンランドのすべての妊婦さんに、子育てスターターキットとして“ベビーボックス”を政府が無料配布しているという記事を書きましたが、日本でも、子どもたちの誕生を地域をあげて祝う活動がありましたので、ご紹介します。
生まれた子どもひとりひとりにプレゼントする椅子のデザインもさることながら、活動のコンセプトが素敵すぎます。
超少子化に向かう日本の未来も、そんなに悪くないかもしれません!

「君の椅子」プロジェクトとは?文化の地産地消

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「君の椅子」プロジェクトとは、北海道上川地域内の5町村と長野県の1村で生まれたすべての子どもに、誕生祝いとして椅子をプレゼントする活動です。
椅子のデザインは毎年変わり、家具の専門家だけでなく、建築家やアーティストが一緒になって生まれてくる子どものために、“世界にひとつだけの椅子”を作ります。
上川地域はもともと家具の町として有名で、全国各地から多くの家具職人が集まり、技術習得に励んでいます。
椅子の材料も北海道の無垢材を使い、地元の材と技術を用い、地元の子どもに提供する、「文化の地産地消」を目的としたプロジェクトなのです。

こどもの誕生を祝う「世界に一つだけの椅子」

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2006年にスタートしたこの「君の椅子」プロジェクトは、旭川大学の特任教授(当時)磯田氏と大学院生とともに、「誕生する子どもを迎える喜びを地域の人々でわかちあいたい」という想いから始まりました。
6町村合わせても3万人にも満たないごく小さな地域ですが、子どもの誕生に「ありがとう」を言える社会でありたいという想いが形になったのです。
プレゼントされる椅子には、子どもの名前、生年月日、プロジェクトロゴや一連番号が刻印され、「生まれてきてくれてありがとう。君の居場所はここにあるからね」というメッセージを込めて、すべての子どもたちに贈られます。
上川地域の妊婦さんたちのあいだでは、どんな椅子がもらえるのかが毎年楽しみになっているそうです。
プロジェクトが始まってから、およそ1000人の子どもたちが椅子を受け取ったそうですが、子どもたちは世界にひとつだけの椅子と、こんな素敵なメッセージ受け取って、育っていくのですね。

2015年の「君の椅子」はミズナラが材料に

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今年度の「君の椅子」は、北海道中川町有林の広葉樹「ミズナラ」を材料としています。
座面を丸くノミで削り、背もたれも小さな子どもの背中にフィットするよう丸みを帯びたデザインで、赤ちゃんでも座り心地の良さそうな椅子に仕上がっています。
デザイナーの中村氏は、「手の脂だけでなく、汗やよだれ、涙が沁みついて、世界にたったひとつだけの椅子に」との想いを込めてデザインされたのだそう。
この小さな椅子でごはんを食べて、お絵描きをして、本を読んで、お勉強をして、小さな赤ちゃんが“自分の居場所”という宝物とともに、やがて大きく成長していくのですね。

制作:大門 和真氏(アートクラフト・バウ工房)
デザイン:中村 好文氏(建築家)

第37回サントリー地域文化賞を受賞!

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「君の椅子」プロジェクトが、このたび第37回サントリー地域文化賞を受賞したそうです。
この賞は、地域文化の発展に貢献した個人または団体を顕彰する目的で送られる賞です。
生まれてくる子どもたちに、その地域の材料と技術を使って作られた椅子をプレゼントする「文化の地産地消」という点が評価されて、この夏、受賞にいたりました。
筆者自身はこの受賞のニュースを知って、初めて「君の椅子」プロジェクトの内容を知ったわけですが、こんな素敵な活動はもっともっと広めていってもらいたいですね。
少子高齢化にともなって、女性は働いて、子どもも産んで!
求められることばかりが多くなって、なんだか親も子どもも生き辛い世の中です。
そんな中、地域をあげてこんな素敵なプロジェクトをしている町があったなんて、日本も捨てたものじゃありません。
生まれてくる子どもに「ありがとう」を言えるそんな社会が、もっともっと日本中に広がっていくことを願い、ご紹介してみました。
この記事を書いた人
MAKOMI

4歳になる娘を持つママです。子育てを始め、読書レビュー、ファッション等、多方面で執筆中。面白いネタを探して、日々アンテナを張って生きてます!