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日本の出生率はなぜ上がらない?フィンランドと日本の社会保障を比べてみた!

現在、日本の合計特殊出生率は1.46です(2015年)。2005年の1.26という最低値よりは若干上昇傾向にあるのですが、人口を維持するには2.07が必要なのだそうです。ママに優しいランキングや男女格差ランキングなどで常に上位のフィンランドは、出生率も約1.8で安定しています。日本とフィンランドの何が出生率の違いにつながっているのでしょうか。産休や育休で受けられる手当てや保育事情から検証してみました。

日本とフィンランドの産休・育休手当

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気になる社会保障の手当を、給与25万円と仮定して、日本とフィンランドの制度に沿って計算してみました。

【日本の場合/給料25万円(仮定)】
① 産休手当→約55万円
 ・約98日間取得
 ・給与の2/3受給

② 育休手当→約125万円
 ・最長10ヶ月間取得
 ・給与の50%受給

→(①約55万) + (②約125万) = 約180万円受給

【フィンランドの場合/給料25万円(仮定)】
③ 産休手当→42万円+29万円
 ・105日間取得
 ・始めの56日間は給与の90%、その後70%受給

④ 育休手当→約99万円
 ・158日間取得
 ・給与の70~75%受給

→(③42万+29万) + (④約99万) = 約170万円受給

どちらの国も期間は出産をはさんで、対象は約1年間です。
受給額はむしろ日本の方が多い結果となりました。

ただし、フィンランドの場合は、パパの育休取得率が80%を超え、ママの受給額170万円に、約41万円(給料30万と仮定)が上乗せされることになります。
反対に日本のパパの育休取得率は、今年過去最高になったとは言え、2.65%。
無いに等しいパパの育休取得率が、出生率の差につながってきそうです。

日本とフィンランドの児童手当

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子育て関係の社会保障として、児童手当はどうでしょうか。
どちらの国も『一人っ子』が受給できる最高額を試算してみました。

【日本の場合:最高198万円】
対象:0才~中学生まで
受給額:0~3歳未満(1.5万円/月)、3才~中学生(1万円/月)

【フィンランドの場合:最高204万円】
対象:0~17才未満
受給額:1万円/月

産休・育休手当に続き、児童手当も一人っ子の子供が受給できる額は、そう変わりませんでした。
受給手当の制度としては、子育て先進国のフィンランドに日本が追いついてきている結果となりました。

フィンランドの保育制度

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次にフィンランドの保育制度について調べてみました。
フィンランドは、1973年に保育園法ができ、すべての子供たちに保育施設を用意することが自治体の義務となったそうです。
また1996年に法改定が行われ、母親の就労有無に関わらず、誰もが保育園を利用できる権利が与えられました。
もう20年も前の話です!
日本では、母親の就労有無を始め就労形態や核家族など、保育園を利用するためには様々な保育事由を必要とします。
誰でも利用できるという安心感は、女性の就職や出産に大きく関わってきますね。

女性の正社員の割合と出生率

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現在日本では、フルタイムで働くママは3割にも達していません。
子供が6歳未満の場合はその割合はもっと下がってしまいます。
それに対し、フィンランドのほとんどのママはフルタイムで働いているそうです。

社会保障手当の面ではどちらの国もそう大差ないはずなのに、ほとんどのママがフルタイムで働いて、なおかつ出生率は安定しているフィンランド。
子供を産み、復帰し、働ける環境作りが整っている成果だと思います。
パパも育休を取りやすい職場環境なのが、出生や子育ての不安を解消しているんですね。
フィンランドに比べれば、子育てに関してはまだまだ発展途上の日本。
待機児童を解消し、日本の女性が不安なく子供を産み働ける環境に変わることを期待したいです。
待機児童の問題はなかなか前へ進まず、出生率もさほど上がらない日本。それに対し、子育て先進国であるフィンランドには、何かしら秘策があるのではないのかと思い、今回調べてみました。社会保障の面ですごい待遇を受けられるのではないかと思っていたのですが、結果そんなに差はなく、やはり問題は保育園にあるような気がします。日本の女性が不安なく子供を産み働ける環境に変わることを期待したいですね。
この記事を書いた人
MAKOMI

4歳になる娘を持つママです。子育てを始め、読書レビュー、ファッション等、多方面で執筆中。面白いネタを探して、日々アンテナを張って生きてます!