わきがは、本来であれば、第二次性徴期を迎える小学校高学年から中学生くらいの思春期に気になり始めます。
臭いの原因となるアポクリン腺が、第二次性徴期の時期に一気に増加するからです。
しかし最近では、わきがが低年齢化してきて、6才くらいから気になりだす子もいるそうです。
汗だくになった子供からわきがの臭いがしてきたり、洗濯したのに臭いが残ったり、どきりとした経験のあるママが少なからずいるようです。
子供は正直なので、友達からはっきり「臭い！」と言われ、いじめにつながってしまうのではないかと心配になりますね。
遺伝すると言われているわきがの対策などはあるのでしょうか。

わきがとは、脇から特有の酸っぱいような臭いがする症状を言います。
身近にわきがの人がいれば、わかる人にはすぐわかる臭いだと思います。
原因は、先にも述べましたがアポクリン腺と言われる汗腺から出る汗です。
このアポクリン腺から出る汗は、運動したり辛い物を食べたりしたときに出る汗とは異なり、特徴的なのが、『少し粘り気のある汗』です。
欧米人の約80％がわきがであるのに対し、日本人は10人に1人しかわきがではありません。
しかし欧米人と比べ、臭いに敏感な日本人は、わきがだと生活しづらい面もあるかもしれません。

わきがは遺伝するのかとよく聞かれますが、答えは『Yes』です。
わきがは優性遺伝だそうです。
「優性遺伝」とは、優れたものが遺伝するのではなく、遺伝しやすいものが「優性」として遺伝することを意味します。
ということで、近親者にわきがの人がいれば、以下のように非常に遺伝しやすいことになります。

・片親がわきがの場合・・・約50％で遺伝
・両親ともにわきがの場合・・・約80～90％で遺伝
・隔世遺伝する場合も多い

筆者も実父がわきがなので、娘が遺伝していないか本当に他人ごとではありません。

湿ったような耳垢の人がわきがになりやすいとよく言われますが、実際、湿った耳垢の人の約75％がわきが体質だと言われています。
耳垢が湿る原因は、アポクリン腺から出る汗によるもの。
また衣類の脇部分が黄ばむのも、アポクリン腺の汗が原因だそうです。
運動後の汗とは違い、アポクリン腺の汗は、乳白色で粘り気があります。
この乳白色の汗が、衣服を黄ばませるのです。
だからと言って、湿った耳垢の人や脇汗が多い人が全員わきがということではないですので、一概に決めつけないで下さい。

わきがを疑う目安をあげてみました。
3つ以上該当する場合は、わきがの可能性が高くなってきます。

① 近親者にわきが体質の人がいる
② 汗がべとついている
③ 耳垢が湿っている
④ 服が黄ばむ
⑤ 体毛が濃い
⑥ 緊張や興奮をするとすぐ汗ばむ
⑦ 洗濯ものを洗っても臭いが残る

わきがの低年齢化の原因は、近年の子供の肉体的成長と食生活が起因しているようです。
ファーストフードや肉食中心の生活を改め、昔から本来日本人が食べてきた野菜や魚介類などを中心とした和食を心がけることで、改善が見込めると思います。
また親が過剰に反応することで、子供が気にしてしまい、余計に発汗→臭いへとつながってしまいますので、子供との上手な距離の取り方も大事になってくると思います。