七夕と言えば、織姫と彦星のお話は有名ですが、実はこれ以外にも七夕の起源があるんです。
日本では昔、乙女が着物を織って棚にそなえ、神様を迎えて秋の豊作を祈ったり、人々のけがれをはらうという神事であった「棚機（たなばた）」というものがありました。
これが行われたのが、7月7日の夕方のため、七夕と書いて"たなばた"と言われるようになったという説があります。
また、中国から伝来した「乞巧奠（きこうでん）」では、7月7日の織女星にあやかり、機織りや縫製が上達するようお祈りする風習が生まれました。
やがて、縫製だけではなく芸事や書道、そして現在では様々な願い事をする風習が広がったという説があります。
これらが合わさって、現在の七夕の形になったと言われています。
願い事をするというのは、乞巧奠がルーツのようですね。

笹・竹に短冊をつるして願い事をするようになったのは、江戸時代からだと言われています。
寺子屋で学ぶ子どもが増え、習字が上達するようにと星に願ったことが始まりのようです。
本来は、里芋の葉に溜まった夜露を集めて墨をすり、その墨で文字を綴って手習い事の上達を願います。
里芋の葉は、神からさずかった天の水を受ける傘の役目をしていたと考えられているため、その水で墨をすると文字も上達すると言われているからです。
では、なぜ笹・竹に願い事を吊るしたのでしょうか。
笹・竹は、根強く、繁殖力も強く、風雪寒暖にも強いという特徴があります。
また、天に向かってまっすぐに伸びる力強さや、笹の葉の擦れ合う音が、神様を招くとされています。
こうした神秘性を兼ね備えた笹・竹は、昔から神事などにも使われており、神聖なものとして大切に扱われてきました。
きっと、どうしても字が上手になりたくて、神様へお願いするために、神聖な笹・竹に短冊を吊るしたのでしょうね。

七夕飾りの一つ一つに意味がありますので、主なものをご紹介いたします。

⚫︎短冊：短冊に字を書いて学問や書道の上達を願った飾り。中国の陰陽五行説から、赤、青(緑)、黄、白、黒(紫)が用いられています。
⚫︎折鶴：家族の長寿を願う飾り。
⚫︎神衣：紙の人形を飾って、裁縫が上達して着るものに困らなくなると言われています。また、災いを人形に移して身代わりになるという意味もある飾り。
⚫︎巾着：昔のお財布で、節約や貯蓄、商売繁盛などを願った飾り。
⚫︎網飾り：魚を捕る網を表していて、豊作や大漁を願った飾り。
⚫︎吹き流し：織姫の織糸を表していて、五色を用いて魔除けの意味も持つ飾り。
⚫︎くずかご：飾りを作った後の紙くずを入れて、清潔と節約を心掛ける飾り。

折り紙で折ったり、意味のある七夕飾りを作るのは、小さな子どもには難しいですよね。
それなら、赤・青・黄・白・紫の五色を使って、ママが折り紙をきって、子どもに貼ってもらうだけでできる飾りを作ってみましょう。

◆輪っかつづり
これは誕生日などでも作ることがあるので、有名ですね。縦長の紙を用意し、一枚ずつ輪っかを作り、つなげていけば完成ですね。

◆三角つづり
折り紙を切って、三角形を用意します。この三角形の上にのりをつけて、さらにうえに別の三角形をはっていけば、完成です。

◆ひし形つづり
ひし形を用意するというよりも、折り紙を四等分に切って、正方形を用意します。この正方形の角を上にして、上の角にのりをつけて、さらに上に別の正方形をはっていけば、完成です。

のりやテープでとめれば簡単にできて、見栄えも豪華です。
星型やハート型で作っても、かわいいですよ。
ハサミを使える子どもには、ちょうちんや網飾りに挑戦してみてください。
また、ママが織姫と彦星を作って、子どもにお顔を書いてもらうなんていうのもいいですよね。