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5年後、パパの“産休”取得率が80%に!「さんきゅうパパプロジェクト」って何?

この夏、政府が取り組み始めた「さんきゅうパパプロジェクト」というものをご存知ですか?
5年後の2020年までに、男性の産休取得率を80%に上げるプロジェクトなのですが、このプロジェクトの面白いところが、“育休”ではなく“産休”であるところ。
そもそも赤ちゃんを産むための休みである“産休”は、女性のものですよね。
その産休を男性であるパパが取得し、しかもその取得率を80%にまで上げるという。
かなり強気な数値目標を掲げたこの「さんきゅうパパプロジェクト」について、すこし調べてみました。

「さんきゅうパパプロジェクト」って何?

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「さんきゅうパパプロジェクト」とは、5年後の2020年までに、男性の産休取得率を80%にまで上げるプロジェクトです。
「さんきゅう」には、“産休”と“Thank you(ありがとう)”の2つの意味が込められており、シンボルマークの上には、「パパが産休 家族にサンキュウ」というキャッチコピーが添えられています。
80%という数値の内訳は、ママの出産後2ヶ月以内に『半日または1日以上の休み』を取得した男性の割合を指します。
プロジェクトの目的は、
・ パパが新しい命の誕生の時を家族と共に過ごすことで、親であることを実感する
・ ママとの絆を深める
・ 休暇を家事・育児を行うきっかけとし、仕事と生活の調和を図る

このプロジェクトを知ったとき、筆者の夫は、普段わりと簡単に有休休暇を取得できてしまう会社に勤めているため、子どもの誕生に半日も休めないパパが全国にはたくさんいることに、驚いたのが実際でした。
現在日本では、男性の産休取得率の統計すら取っていないのが現状で、いかに父親が子どもの出産・育児に関われていないかがうかがえる実情ではないでしょうか。

パパの家事・育児時間が増えると、出生率アップ!?

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厚生労働省の調べによると、パパの家事・育児時間が長いほど、第2子以降の出生割合が高くなるというデータがあるそうです。
上の図は『夫の休日の家事・育児時間別にみた、第2子以降の出生状況』を表しています。
図からもわかるように、子どもと関わる時間が多いパパほど、2人目以降の子どもをもうける割合も高くなっていますね。

現在、日本の合計特殊出生率は9年ぶりに低下し、1.42人にまで下がってしまいました。
フランスやアメリカの出生率は2.0人、一人っ子政策をしている中国でさえ1.7人なのに対し、日本の出生率はなかなか上がらないのが現状だそうです。

「さんきゅうプロジェクト」を推進することにより、パパの家事・育児に関わる時間を増やすことで、少子化を食い止めることが「さんきゅうプロジェクト」の目的の大本命とされているようです。

パパの“育休”取得ってどのくらい?

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ここで気になるのは、日本のパパの“育休”取得率。
日本では子育てのために休暇を取る“育休”は、男性も女性も取得可能ですが、周りでなかなか取得している男性がいないのが現実ですよね。
現在、育休を取得している女性は83%なのに対し、男性はわずか1.8%しかいないそうです。
働く男性の3割以上が「育休を取りたい」、あるいは「育児のための短時間制度を利用したい」と思っているようですが、実際は難しいようです。
育休を利用した1.8%の男性も、大半は1ヶ月未満の短い育休であり、子育てにメインで携われる状態には程遠いのが現実です。

パパの時間を職場から家庭へ

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育休ですら取得率が低いのに、まして産休となるとどうなるのかはわかりませんが、
政府としては、
・ 子どもが生まれる日
・ 母子が病院から退院してくる日
・ 出生届を出す日
まずはここから、たった3日ですがここから、パパの時間を職場から家庭へと返していき、ひいては出生率増加に繋がるようにしていきたいそうです。

【さんきゅうパパプロジェクトの目標(まとめ)】
1. パパの産休取得率80%(2020年までに)
2. パパの家事・育児へのきっかけとし、長時間労働を改善する
3. 男性が休暇を取得しやすい社会づくり
子どもはママ一人で作るものではないですし、やはりパパも一緒になって家事・育児をすべきだと思いますが、女性のようには簡単には休暇が取れない現状もよくわかります。
まだ始まったばかりのプロジェクトなので、今後どういった取り組みをしていくのかが気になりますね。
働くのが何よりも大事だった時代から、新しい時代に変わろうとしている今、筆者も子育てに関わる当事者として、また客観的にもこのプロジェクトを見守っていきたいと思います。
この記事を書いた人
MAKOMI

4歳になる娘を持つママです。子育てを始め、読書レビュー、ファッション等、多方面で執筆中。面白いネタを探して、日々アンテナを張って生きてます!