おたふく風邪ワクチンが「任意接種」の理由
赤ちゃんが生まれると、生後2ヶ月から予防接種が始まりますね。
毎月のように「定期接種」のために病院に通い、1歳になってMR混合(風疹+麻疹)が終わったところで、はて、おたふく風邪はどうして「任意接種」なのかと悩むお母さんも多いはず。
「任意接種」だったら打たなくてもいいのか、保険が利かないから費用も高いし、、、どうしてだろうと疑問に思ったまま、保留にしているお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、おたふく風邪ワクチンが「任意接種」の理由について詳しくご説明させていただきます。
筆者も悩んだひとりとして、今回は厚生労働省の方に詳しく聞いてきました。
病気や感染症の対策
1. 他国は「定期接種」なのに日本は「任意」
www.google.co.jp実費負担が高いことで、接種を悩まれるお母さんも多いのが現状ですが、実は日本以外のほとんどの国が、おたふく風邪ワクチンは「定期接種(無料で受けられるワクチン)」なのです。
東南アジアや北朝鮮、アフリカなどはまだ日本と同じ「任意接種」なのですが、アメリカ、ヨーロッパはもちろんのこと、お隣中国や韓国もみな「定期接種」です。
医療の発達した日本でまさか?とお思いの方も多いのではないでしょうか。
日本の予防接種制度は、実は先進国の中では最低レベルと言ってもいいのです。
2. どうして日本だけ「任意接種」?
www.google.co.jp日本でも1989年から1993年までの4年間、おたふく風邪ワクチンはMMR混合ワクチン(風疹+麻疹+おたふく)として定期接種化されていました。
定期接種化により、おたふく風邪の感染は減らすことができたのですが、副反応として、無菌性髄膜炎の発症率が高いことが問題となって中止されたのです。
現在いまだに任意接種なのは、残念ながら研究が進んでおらず、無菌性髄膜炎の発症頻度が中止した時と比べて大きく改善されていないのが原因です。
海外のMMRワクチンは、副反応の発症頻度が低いため、現在2回のワクチン接種が定期接種化されています。
こう聞くと、日本でも安全なMMRワクチンを研究して、早く定期接種化してほしいと思いますね。
厚労省の方の話によると、国も「定期接種」の方向で現在動いているため、近い将来には無料接種できるようになるそうです。
3. おたふく風邪ワクチンは打ってもいいの?
lookfordiagnosis.com単体のものは、1989年以前から使用しているワクチンであり、安全性も確認されているため、無菌性髄膜炎などの副反応の問題は、全くとは言いませんがありません。
単体ワクチンでもいいので定期接種化してくれればと筆者は思うのですが、年間105万人を対象とするワクチン接種を無料化すると、お金の問題がどうやら関わってくるため、国は無料化に足踏みしている状態のようです。
地域にもよりますが、現在日本のおたふく風邪ワクチン接種率は、30%ほどと言われています。
おたふく風邪は、年齢を重ねるごとに重症化しますので、費用に関係なく、打つか打たないかで迷っているのであれば、ぜひ打つことをおすすめします。
4. おたふく風邪が重症化すると
www.photo-ac.comまさかおたふく風邪で難聴になるなんて、という親御さんがたくさんいらっしゃるのが現状です。
こんなにたくさんの子どもたちが難聴になっているにも関わらず、接種率が上がらないのには、「任意接種」の理由がよくわからないからだと筆者は考えます。
おたふく風邪は、主要国ではもう見ることのない病気だと言われているくらいです。
今の単体ワクチンでは、副反応は問題ありません。
厚労省の方は言葉を濁しましたが、要するに、費用の関係で国は「定期接種」化できない状態でいることを踏まえ、ぜひおたふく風邪ワクチンを接種してあげてください。
混合ワクチンにすると安全面での保証ができず、単体ワクチンにすると費用がかさむ。
結論を言えば、こういうことになりそうです。
筆者の娘は今3歳ですが、やはり1歳を過ぎたころにこの問題に直面しました。
ワクチンの実費は安くはないし、一度おたふくにかかってしまえばもう大丈夫なんだしと、悩んだものです。
ですが、ワクチンを打つ副反応より、打たなかった時の重症化率が高いことを考え、娘は接種しました。
大人になってから不妊になる可能性も考え、できれば小さいうちに接種しておくのがいいですね。
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